日本に中長期滞在(短期滞在、3カ月以下の滞在を除く)、永住などの許可がおりた外国人は、居住する市区町村に居住地の届出をしなければいけません。いわゆる、日本人でいうところの「住民票の届出」ということです。

外国人の住民票

背景としては、日本に入国・在留する外国人が年々増加しています。その外国人住民たちに対して、市区町村が、日本人と同様に、基礎的行政サービスを提供する基盤となる制度の必要性が高まりました。

そして「住民基本台帳法の一部を改正する法律」が2009年(平成21年)7月に公布、3年後の2012年(平成24)年7月に施行されました。それにより外国人住民に対して住民票が作成され、翌年2013年(平成25年)7月から、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)及び住民基本台帳カード(住基カード)についても運用が開始されたという経緯があります。

又、平成28年1月から日本人同様に社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが導入され、外国人にも適用になります。

つまり、正しく在留資格を取得し、住民票届出をすることにより、日本人同様の基礎的行政サービスが受けられるということです。例えば、児童手当などがそれに該当します。

さらに詳しくみていきます。

転入・転出について

●新たに日本に入国した外国人の場合:
居住する市区町村に在留カードを持参の上、転入届出をしてください。在留カードを発行されなかった時はパスポートでも良いことになっています。(ちなみに来日の当日に在留カードを発行されるケースとは成田・羽田・中部・関西の4空港に上陸した外国人のみです。)
注意点があります。世帯主が別にいる住所に転入する場合は、世帯主との続柄を証明する本国の文書とその日本語訳が必要です。

●既に日本に暮らしている外国人の場合:
転出は、転出証明書を交付しもらい、それを持って転入届け出をします。同市区町村内での転居の場合は転居届をします。海外で暮らす場合は、「転出届」が必要です。
上記の手続きには在留カード、特別永住者証明書(カード)が必要です。

●罰則:
転入、転居、転出は14日以内に行う必要があります。届出をしないと20万円以下の罰金、虚偽の届出をした場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金を課せられます。

●外国人住民の利便性
改正・住民基本台帳法の施行以前は、外国人登録法で転入、転居、転出の届出を入国管理局と市区町村の両方にしていましたが、今は市区町村から法務省へ、在留資格の変更、更新の際は居住の市区町村に自動的に情報が伝わるようになり、以前の手間がなくなりました。

住民票に記載される内容

1. 氏名(住民票に通称が記載されている場合は、氏名及び通称)
2. 出生の年月日
3. 男女の別
4. (世帯主である場合)世帯主である旨
5. (世帯主でない場合)世帯主の氏名及び世帯主との続柄
6. 住所(及び転居した場合はその住所を定めた年月日)
7. 転入届出の年月日及び従前の住所
8. 国民健康保険の資格に関する事項
9. 後期高齢者医療の資格に関する事項
10.介護保険の資格に関する事項
11.国民年金の資格に関する事項
12.児童手当の受給資格に関する事項
13.米穀の配給に関する事項
14.住民票コード
15.その他政令で定める事項
16.国籍・地域
17.外国人住民となった年月日
18.中長期在留者等である旨
19.在留カードに記載されている在留資格、在留期間、在留期間の満了の日、在留カードの番号等
20通称の記載及び削除に関する事項

マイナンバー

2016年1月からマイナンバー制度が始まり、外国人住民にも適用となりました。以前の住基カードも発行から10年は使用可能です。切り替えも可能です。切り替えた場合は住基カードは返却する必要があります。

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の行政手続に必要ですので、忘れずに登録をしましょう。

持っていることによりこのようなメリットがあります。住基カード又はマイナンバーカードの交付を受けている方は、一部の市区町村において、コンビニエンスストアでの証明書等の交付など、市区町村が行う独自のサービスが受けられるようになりました。

まとめ

改正・住民基本台帳法の施行で、日本人同様の基礎的行政サービスが受けられるようになりました。病気になった時は病院、介護の必要な時は介護保険など、いざという時に役立ちます。住民票の届出をきちんとして、平和で安泰な生活を送りましょう。